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カナダ BC州バンクーバー体験記

去る2025年2月~3月の約2か月間、カナダ・ブリティッシュ・コロンビア州に所在する外務省在バンクーバー総領事館にエンジニアとして派遣され営繕業務を行ってきました。個人的に英語も喋れず、海外自体が初めてでしたが、業務およびに私生活の両方でとても貴重な経験をさせて頂きました。以下に、その体験記を記します。

まず、業務では、総領事公邸内部の改修工事と施設点検を行ってきました。

公邸内部改修工事は、業務目的の途中段階まで目的達成することができました。理由は、派遣前から現地担当者にて工事発注の準備がされていたのですが、工事の契約は2月末であったため、業務派遣期間内では工事内容すべてが終わらない工期であったためです。しかしながら、工事の主要部分を占め、技術的知見が必要である内装壁の木工事・塗装と石膏ボード貼りを工事監理でき、未済となるものは、現地担当者に引き継ぎました。

施設点検業務(公邸)は、おおむね業務目的を達成することができました。
その理由は、施設の点検を行ったうえで、①修繕できるもの、②維持管理メンテナンス事項のとりまとめ、③今後工事の必要箇所(参考提出)の3つをまとめ、現地担当者に引き継ぐことができたからです。具体的には、

①修繕できるものは、外れた扉金具の調整や鋼製棚の組み立て設置など現地スタッフで対応できていなかったものをエンジニア自前で修繕を行いました。
②維持管理メンテナンス事項としては、主に大規模修繕工事で新規にインストールされた施設と既存施設に関するユーザーでの日常メンテナンス事項、専門業者での保守・点検等事項を現地担当者に引き継ぎました。
③今後工事の必要箇所(参考提出)は、既存資料と現地施設の劣化状況を点検したうえで、技術的知見から今後、大規模工事として修繕が必要となってくるであろう工事内容をまとめ、計画的に遂行して頂くようアドバイスができました。
今回は、業務期間も短かったことや流動的な現地状況を踏まえ、あらかじめ現地担当者と打合わせを行い、業務の優先順位や成果品のまとめ方などの方向性をある程度決めていたことにより、比較的スムーズに業務を進め、無事に業務完了を迎えることができたと思います。

 

せっかくの機会なので業務以外にも私生活部分で出国前に個人的目標としていた点が3つありました。①現地の友人を作る、②カナダでスノーボードをする、➂パブなどの社交場に行ってみるです。
①「現地で友人を作る」は、たまたま、赴任して2週間目に他協会から派遣されていた方の送別ということで館内で簡単なイベントがあったのですが、私の歓迎もかねてということで急遽参加させて頂けました。その際に、現地スタッフとドライバーの方が日本語も流暢な方だったためお話することができ、スノーボード、音楽鑑賞(洋楽)、お酒等のお互いの趣味・趣向で共通点があったことから親しくなり、個人的な連絡先を交換することができました。

②「カナダでスノーボードをする」は、現地スタッフの方がスキーを趣味にされており、たまたま日曜日に行く予定があるということで良かったらどうかと誘ってくれました。移動は、その方の私有車で私の滞在先ホテルまで送迎してもらえました。道具は全てレンタルで借りました。行った先は、バンクーバーにある「Cypress Mountain」というスキー場でここは、2010年のバンクーバーオリンピックでスノーボード競技が開催された場所でした。私にとっては願ってもない場所だったため感無量でした。天候も朝一は曇り気味で若干の雪がちらつき視界も悪かったのですが、日中になるにつれ天気がよくなり、最終的には頂上から見渡せるくらい良くなりました。雪質もパウダーではありませんでしたがアイスバーンでもなく、ほどよい状態でした。また、現地集合で合流したスタッフの友人とも仲良くなり、連絡先を交換して友達になれました。現地スタッフの方とリフトで同乗となった常連のスキー客が今シーズンで一番よい日と話していたので、とても恵まれた異国の地でスノーボードができたのだなーと、とても嬉しかったです。

                                                                   Cypress Mountain

                                                         2010年オリンピック時の写真

 

 

➂「パブなどの社交場に行ってみる」は、ドライバーの方が、音楽が好きでお酒も飲まれるということでしたので、是非一緒に飲みに行こうということになり、「CRAFT Beer Market False Creek」というお店に連れて行ってもらえました。バンクーバーでは、クラフトビール工場が多いそうで、このお店は、その多くを堪能することができるということでした。終始、雰囲気とテンポがよい音楽が流れ、週末もあってか人も多くとても賑わっていました。建物自体も木造なのですが、日本では東大寺などでしか見たことがないような太さの柱や梁でとても大規模で壮大さを感じました。また、ビールは建物内のタンク室(各クラフトビールの樽)からカウンター(サーバー)まで鋼配管で繋がり供給されるもので、あまり見たことがなかったので感動しました。さらには、ビールには、「ラガー」、「ピルスナー」、「ペールエール」と種類があることを、このお店に来て初めて知りました。日本ではあまり気にしたことがありませんでしたが、クラフトビールの歴史・文化が盛んなバンクーバーに来られたお陰で、雑学の知識も増え、また少し賢くなることができました。

私生活部分では、国や人種が違っても趣味などの共通点を見いだせればすぐ友達となって早い段階から時間を共有して楽しめるということ身をもって体験した。今回のように短期間の場合は、尚更だと思いましたし、キーマンを早めに見つけるということは、業務上でも今後の人生にも共通して繋がる大事なことだと実感しました。

今回、私のように英語が未熟で海外も初めてな人間でもこれまでの仕事と人生の経験を活かして何とかなった(と思っています)ので、今後も機会があれば積極的に参画させて頂きたく思います。また、海外での勤務に少しでも興味がある施設エンジニアの方は、是非、臆することなくその一歩を踏み出して活躍してもらえたらと願っています。

最後になりますが、私の初めての海外勤務にあたって、御尽力いただいた関係者の方々には厚くお礼を申し上げます。ありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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