一般社団法人日本外交協会は、2024年度 在ドミニカ共和国日本大使館ODA「草の根・人間の安全保障無償資金協力」に基づく「ボナオ市中古塵芥収集車整備計画」案件の一環として、2025年11月10日から14日まで短期の現地研修を実施しています。
本案件は、当協会が公益財団法人ふくおか環境財団(福岡市)より譲渡を受けた中古塵芥収集車3台を在ドミニカ共和国日本国大使館ODA「草の根・人間の安全保障無償資金協力」に基づきボナオ市へ寄贈するもので、車両の左ハンドルへの変換を含む整備を経て2025年6月に輸出された車両を対象に、日本の専門家による運転・保守・安全管理等に関する実地研修を行うものです。
ボナオ市は人口約9万人、ドミニカ共和国の首都サントドミンゴから北西約85kmに位置し、農業や中小商業を基盤とする地域です。同市はドミニカ共和国観光省より「エコツーリズム推進都市」に指定されていますが、ごみ収集車の不足により市内各所で未回収のごみが散乱し、景観および衛生環境の悪化が課題となっていました。
今回の研修は、当協会海外援助事業部長(林田雅明)を団長とし、インストラクターとして塵芥収集車のドナーである公益財団法人ふくおか環境財団から2名(村野陽子氏(事業部事業調整課 課長)、田中正道氏(業務部 業務課 業務係長))を、また塵芥収集車メーカー「極東開発工業株式会社」のサービス部門である株式会社エフ・イ・オート横浜サービスセンターから2名(八木幸一センター長および猪俣健太郎整備班長)の派遣協力を得て、車両の運用方法、作業安全、廃棄物収集の効率化といった実践的な技術移転を進めています。
現地ではボナオ市長の歓迎を受け、ボナオ市清掃部門の担当職員12名が参加し、日本から供与された車両を用いた操作訓練や点検手順の確認、安全意識向上に向けた指導など、日々の運用に直結する内容を熱心に学んでいます。
これらの取り組みは、在ドミニカ共和国日本大使館の支援方針の下、被供与団体であるボナオ市の視点に立ったプロジェクトの運営として進められているもので、今回の研修を通じて、同市の廃棄物収集体制の強化と市民の生活環境の改善が期待されます。
日本外交協会は今後も、日本とドミニカ共和国の草の根レベルでの友好関係の促進に協力すべく、現地の要請に即した柔軟な支援に取り組んでまいります。
海外援助事業
ボナオ市長らによる歓迎を受ける日本側研修チーム
ボナオ市の街並み




